スペシャルティコーヒー・サードウェーブとは 〜From Seed To Cup〜
最近さまざまな場所で目にするようになった、スペシャルティコーヒーならびにサードウェーブとは何かについてご説明いたします。
サードウェーブとは
サード(3rd)ウェーブというのだから、1stと2ndがあります
ファーストウェーブとセカンドウェーブについて
第一の波 ファーストウェーブ
1950年代に戦中から止まっていたコーヒーの輸入が再開され、日本のコーヒー市場が活性化した1960年代、大量生産・大量消費のコーヒーの時代
第二の波 セカンドウェーブ
1980年代に入って高品質の深煎りコーヒー・エスプレッソを取り入れ、テイクアウトやアレンジコーヒーなどがポピュラーになり、コーヒーがファッションアイテムとなった時代
そして第三の波 サードウェーブ
そして新たに3つ目のムーブメントとして、近年注目されるようになってきたのが、脱チェーン、脱マニュアル、脱効率化でスローフード路線のサードウェーブです。産地・農園の特徴を生かしたスペシャルティコーヒーを焙煎・抽出にこだわりながら楽しむサードウェーブでは、一杯一杯、ハンドドリップで丁寧にコーヒーを淹れるのが特徴的です。実はこのサードウェーブ、日本の喫茶文化に深く影響を受けていると言われています。豆にこだわり一杯ずつおいしいコーヒーを提供するおもてなしの心は、古くから日本の喫茶文化で培われているものです。ですから、日本人にとって、サードウェーブは日本の喫茶文化の原点回帰とも言えるのかもしれません。
スペシャルティコーヒーの定義
スペシャルティコーヒーのもっとも重要な考え方として「From Seed To Cup」という考え方があります。以下はSCAJより一部抜粋。
カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの種子からカップまでの総ての段階に於いて一貫した体制・工程で品質管理が徹底している事が必須である。
スペシャルティコーヒーの定義 « SCAJについて | Specialty Coffee Association of Japan
つまり、栽培、輸送、焙煎、抽出全てにおいてこだわり抜かれたコーヒーがスペシャルティコーヒーと呼ばれます。
またスペシャルティコーヒーでは、トレーサビリティ(追跡可能性)、サステナビリティ(持続可能性)についても考える必要があります。
トレーサビリティ(追跡可能性)
例えば「ブラジル サントス No.2」 という銘柄を聞いたことがありますか?比較的有名な銘柄なので、どこかで目にしているかもしれません。
さて、ここから何が読み取れるでしょうか?
- ブラジル・・・国名
- サントス・・・出荷された港
- No.2・・・ブラジルの最上級の等級(欠点豆の数が基準)
これぐらいですね
では、お米で考えてみましょう
みなさんはお米は何を食べられてますか?
国産米ですか?品種は?コシヒカリ?やっぱり魚沼産ですか?
例えばこの場合ですと、
「日本 新潟県 魚沼産 コシヒカリ」
ここまで読み取ることができます。違いがわかりますよね?
生産されている場所、さらに品種まで読み取ることができます。
先ほどの「ブラジル サントス No.2」ではどうでしょうか?
「食味ランクが特A・一等米の国産米」というところでしょう。
食味ランクが特A・一等米というのですから、美味しいことには違いないでしょう、しかし、国産米というだけではみなさん納得できないのではないですか?
つまりスペシャルティコーヒーはその上なんですよ。
お米で言えば魚沼産の中でも優れた生産技術を持つAさんが、水はけがよく昼夜の温度差のある好条件の田んぼを選んで栽培したお米、
"立地" "品種" "作り手" まで吟味して本当の一杯に辿りつく。
それがスペシャルティコーヒーなんです。
これがトレーサビリティ(追跡可能性)が重視される理由です。
こういった単一品種のコーヒーをシングルオリジンと呼びます。
サステナビリティ(持続可能性)
私たちが美味しいコーヒーを飲み続けるためには、このサスティナビリティが重要になります。
いくら生産者が美味しいコーヒーのために丁寧な栽培をしていても、環境問題や社会問題、経済面、正当な報酬を得ることができずにコーヒーの栽培を続けることができなくなってしまってはコーヒー業界にとっても非常に大きな損失になるからです。
経済面においては、COEなどによって、コーヒー農家に正当な報酬が支払われるシステムが開発されています。その際にも、トレーサビリティが高いこと(どこの誰がどのように栽培したのか)によって、まさにその農家に報酬を支払うことができるのです。
スペシャルティコーヒーの基準
COEでは主に以下の基準にて評価をし、85点以上のスコアを獲得できるとCOE受賞のスペシャルティコーヒーとして認められることができます。
- カップ・クォリティのきれいさ
- 甘さ
- 酸味の特徴評価
- 口に含んだ質感
- 風味特性・風味のプロフィール
- 後味の印象度
- バランス
まとめ
ファーストウェーブ
大量生産・大量消費のコーヒーの時代
セカンドウェーブ
高品質の深煎りコーヒー・エスプレッソを取り入れ、ファッションアイテムとしてのコーヒーの時代
サードウェーブ
産地・農園の特徴を生かしたスペシャルティコーヒーを焙煎・抽出までこだわり抜いた一杯を楽しむコーヒーの時代
スペシャルティコーヒーとは
コーヒーの種子からカップまでの総ての段階に於いて一貫した体制・工程で品質管理が徹底することによって、カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるコーヒー
( From Seed To Cup )
さらに、トレーサビリティ(追跡可能性)・サステナビリティ(持続可能性)が高いことも重要である。
最後に
"立地" "品種" "作り手" まで吟味して本当の一杯に辿りつく。
それがスペシャルティコーヒーなんです。
ぜひ、コーヒーへの理解を深めて楽しいコーヒーライフを楽しんでください。
参考
スペシャルティコーヒーの定義 « SCAJについて | Specialty Coffee Association of Japan
What is Cup of Excellence? - ACE
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コーヒー業界の新潮流!3分でわかるサードウェーブコーヒー│ジョージア ヨーロピアン
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