シングルオリジン (Single Origin) コーヒーとは
「単一品種」などと訳される「シングルオリジン」
それだけでは魅力が伝わらないし、重要な部分が抜け落ちていると思うので、改めてご説明します。
シングルオリジンを単語単位に分解してみる
single : たった一つの、唯一の
origin : 起源、生まれ
繋げるのであれば、「たった一つの生まれ」という感じかな
シングルオリジンとは何か?
産地だけでなく、特定のエリア、農園、農園内の限定された畑、さらに品種などを特定できて、生産現場をある程度まで遡れる情報を持つ高品質のコーヒーという概念で使われています。
どこまで遡れればシングルオリジンなのかということについては明確な定義などはありませんが、少なくともエリアまでは絞れているといいかなと思います。
例えばMiCafeto様の商品のSM サン ミゲル
生産国:グアテマラ
生産地:アンティグア
農 園:サン ミゲル農園
シングルオリジンだと何が嬉しいのか
シングルオリジンとは、トレーサビリティ(追跡可能性)に優れているコーヒーだと言えるのですが、それによって生産者側・消費者側で何が嬉しいのか説明していきます。
生産者側のメリット
例えば、サン ミゲル農園で最高に美味しいコーヒーを栽培していたとしても、グアテマラコーヒーとしてまとめられてしまっては、質の低いコーヒーとブレンドされてしまうかもしれないですし、仮に美味しいグアテマラコーヒーになったとしても、サン ミゲル農園が評価の対象になることはあまりないでしょう。
しかし、「グアテマラ サン ミゲル農園のシングルオリジンのコーヒー」として売ることで、サン ミゲル農園のコーヒーだから美味しいんだなと理解でき、評価されます。
そのため、シングルオリジンとして売ることで、生産者側は手間暇をかけて美味しいコーヒーを栽培する理由ができます。
消費者側のメリット
消費者側としては以下のようなものが挙げられます。
- 全体的なコーヒーの質の向上
- 個性的な風味特性を持つコーヒーの増加
- 自分にとって最高のコーヒーを探しやすくなる
生産者側でお話しした理由によって、全体的なコーヒーの質の上昇・個性的な風味特性を持つコーヒーが増加します。
さらに、「自分にとって最高のコーヒーを探しやすくなる」というメリットが挙げられると考えております。
例えば、グアテマラ アンティグア サン ミゲル農園のコーヒーは好きだけど、何かほんのちょっと違うな....と思ったら、グアテマラ アンティグアの別の農園のコーヒーを探してみたり、サン ミゲル農園の生産者が経営している別の農園のコーヒーを探してみるとか、そういったことができるようになります。
農園主を調べ上げて、その農園主が経営している別の農園を探す、というのはまだまだ難しいかと思いますが、同じ生産地の別農園を探すということは比較的簡単にできますので、自分好みのコーヒーを見つけたらどこのコーヒーなのかを覚えるようにすると、さらに自分好みのコーヒーを見つけやすくなりますので、ぜひ意識してみてください。
まとめ
シングルオリジンとは
産地だけでなく、特定のエリア、農園、農園内の限定された畑、さらに品種などを特定できて、生産現場をある程度まで遡れる情報を持つ高品質のコーヒーという概念で使われています。
生産者は正当な評価、それに見合った報酬を受け取ることができるようになり、美味しいコーヒーを栽培するモチベーションになる。
消費者は、より美味しい、より個性的なコーヒーが飲めるようになり、自分好みのコーヒーを探しやすくなる。
おまけ
さらに細かい区分もあります。
シングルカルティバー
単一栽培種の豆
シングルエステート
ひとつの農園だけの豆
シングルロット
ひとつの畑の豆
参考文献
Coffee Hunting Note 100カップログ[Lite版]
- 作者: 川島良彰
- 出版社/メーカー: 世界文化社
- 発売日: 2015/08/20
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る