Corona's Cafe

Corona's CafeのマスターことCoronaがSHOWROOMで配信した内容を改めてまとめたり、好きなことを紹介したりするそんなブログ

コーヒーの温度の変化と味覚について

本当に美味しいコーヒーは、温度変化とともに味わいを楽しむことができますが、そうではないコーヒーも存在します。そこで、今回は温度と味覚の関係、温度と成分の関係についてご説明します。

温度と味覚の関係

人の味覚は冷たいものに酸味をやや感じやすく、苦味と甘みは感じづらくなる傾向があります。ちなみに甘みは体温と同じくらいの時が一番感じやすくなります。

味覚の温度特性
  高温 中温 低温
苦味
甘味
酸味

※酸味は温度依存性が低いという研究報告もあります。

温度と成分の関係

淹れたては美味しいと思っても、冷めていくにつれてコーヒーが濁り、苦味や渋みが増していくように感じたことはありませんか?

温かい時は溶けていた一部の成分は、水温が下がると溶けていることができずに味わいに影響してきます。多くの場合は「欠点豆」が原因ですが、抽出のときに高温のお湯で時間をかけすぎ、渋みにつながる成分までを出してしまっていた場合も考えられます。

また、コーヒーには変化しやすい成分がたくさん含まれており、淹れたての温度が高い状態ではこの変化はどんどん進みます。

さらに

コーヒーは酸素によって酸化します。

コーヒーの中には酸素も溶け込んでおり、この酸素が変化を促進します。また、一般的に温度が10度下がるごとに酸化速度が1/2になると言われています。

ホットコーヒーの温度を60度
アイスコーヒーの温度を10度

とするとホットコーヒーはアイスコーヒーの32倍(2の5乗)で酸化していきます。そのため、淹れてから長時間経過したホットコーヒーは悪い意味で酸っぱくなり、美味しく飲めなくなります。

コーヒーの温度変化を楽しむ

とはいえ、普通に一杯飲む分にはそれほどのダメージはありませんので、よければ一杯のカップを飲む際に淹れたての熱々の状態から冷たいなるまで楽しんでみてはいかがでしょうか?

コーヒーの温度が高いとき、私たちが感じるのは、「フレーバー(風味)」と「香り」です。それがだんだん冷めていくと、今度は「酸の質」と「甘さ」が出てくるようになります。カップのコーヒーを置きっ放しにすると、単に酸化が起こって美味しくなくなるだけですが、10分から30分ほどかけて、ゆっくりとコーヒーを味わうことは、理にかなっているのです。

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ひょっとしたら、最初の一口はあなたの好みとは違うかもしれません。でも冷めてきたら、まったく印象の違う、あなた好みの風味を醸すかもしれないのです。もちろん逆もまたしかりですが、「コーヒーはゆっくりと温度による変化を楽しむ」ことを心がけていただくとまた新しい発見があるかもしれません。

参考

水筒のコーヒー 酸化を防止する入れ方は?

Coffee Hunting Note 100カップログ[Lite版]

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コーヒー「こつ」の科学―コーヒーを正しく知るために

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